【旋 律】前編 第五章

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  しばらく亜美の遊ぶ姿を見守っていると、携帯電話にメールが受信された。 取り出して確認すると、相手が楓であることに円香は目を見開き、ドキドキしながらメールを確認した。 『こんにちは。 昨日は母の所に差し入れを持って訪ねてくれたそうで、ありがとうございました。 三連休はいかがお過ごしですか? 僕は部活動中です』 その文面に円香は胸が熱くなるような気がしながら、すぐさま返事を打った。 『たまたま駅前に行く用事があって寄ってみました。素敵なお母様ですね。 私は三連休もなんのその。 主人が仕事に行ってしまったので、いつものように公園で亜美を遊ばせています。 部活動、大会が近いって言ってたものね、がんばってね』 そう送信すると、 『ありがとうございます』 と返事が来た。 ああ、若くてカッコイイ男の子とこうしてメールできるだけで、若返る気分。 そう思った後、自分がオバサンに感じ、肩をすぼめて苦笑した。  
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