【旋 律】前編 第五章

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  楓は亜美のいるジャングルジムまで歩み寄り、 「亜美ちゃん、こんにちは」 と笑みを見せ、そして楓は円香に視線を移し、ペコリと頭を下げた。 円香もつられるように頭を下げると、 「こんにちは、円香さん。 改めて、昨日はわざわざすみませんでした。 シュークリーム美味しかったです」 そう告げた楓に、円香は目を開いたあと笑った。 「楓君、高校生のくせに律儀すぎるわよ」 「母にもよく言われます」 楓はそう言って笑みを見せ、 「隣、座っていいですか?」 とベンチに視線を落とした。 「も、もちろんよ」 円香は強い鼓動に目眩を感じながら、そそくさと場所を空けた。  
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