【旋 律】前編 第五章

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  「……そういえば母が円香さんのこと、かわいい人だって、しきりに言ってましたよ。 亜美ちゃんにも会いたかったって」 「いやだ、かわいいなんて歳じゃないのにね」 「本当ですね」 「わっ、ひどい」 「冗談ですよ」 イタズラに微笑んだ楓に、円香は、良かった、と肩をすぼめ、二人にはクスクスと笑い合った。 その時、ブランコで遊ぶ亜美が「ママーッ、見て、すごくいっぱいこげるよ」と声を上げた。 円香はクスクス笑って、 「すごいね、亜美。 でも気をつけて」 と声を上げると、 「はーい」 と亜美は屈託なく笑った。 そんな亜美の姿に、楓は柔らかく微笑み、目を細めた。 「――亜美ちゃんって、天真爛漫を絵に書いたような子ですね」  
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