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――その後、和馬は家に戻り、ソファーでくつろぎながらキッチンで食事の支度をする円香の姿と、その周りで邪魔するかのようにじゃれつく亜美を見て胸が痛んだ。
美佳に家庭を壊されるかもしれない、
そう思ったときに、背筋に恐怖が走った。
美佳に恋をしていた。
だが、それは飽くまで遊びだったのだ。
円香にはもう感じることが出来なくなった、女の魅力を美佳に求めていた。
だからと言って今の家庭を壊す気など微塵もなかったのだ。
そう、美佳を誰にも渡したくないなど、思ってはいけないことだったんだ。
もし、杉田との関係が壊れたなら、今の自分達の絶妙な関係も崩れるだろう。
美佳は今頃、どうしているのだろう。
和馬は言い様のない胸騒ぎにギュッと目を閉じた。
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