【旋 律】前編 第六章

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. ――――… 美佳が少し変わったように感じたのは、例の騒動が起こってから間もなくだった。 和馬は自分の携帯電話を見ながら苦笑を浮かべた。 明らかに多くなった美佳からのメールに、戸惑いを隠せなかった。 本当に他愛もないことを引っ切り無しにメールして来ていた。 美佳からのメールは返信後、すべて消去する。 平日ならばまだいい……。 以前とは変わり土日にもメールをしてくる美佳に、和馬は焦りを感じていた。 和馬は常に携帯電話をマナーモードにして、常にポケットに入れるようにし、 そしてメールが入った時は、トイレに行く振りをして確認するようにしていた。 土日、美佳からのメールが入るたびに落ち着かず、気持ちが休まらないことを感じていた。  
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