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―――……
“それ”が始まったのは、六月に差し掛かった頃だった。
午前中、鳴り響く家の電話の音に、リビングで掃除機をかけていた円香は掃除の手を止めて受話器を取った。
「――はい、西沢です」
そう答えるも、しばし無言が続き、やがて電話はプツリと切れた。
円香は、ふぅ、と息をついた。
また、無言電話だった。
最近、多いな……。
何より気になるのは、この電話番号。
円香は着信履歴を見て、怪訝に眉を寄せた。
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