【旋 律】前編第八章

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――――…

「今朝は最悪だったよ。あいつの機嫌が悪くてさ」

昼時、美佳とランチを食べに外に出た和馬は定食を口に運びつつ、顔をしかめながらそう告げた。

その言葉に美佳は大袈裟なほどに苦しそうに目を細め、

「信じられない……。
接待で遅くまで仕事してきた和馬さんに対して、そんな態度なの？
……和馬さん、可哀相」

「本当だよな、あいつなんて一日中、家でゴロゴロしているだけだっていうのに」

そう言って舌打ちした和馬に、美佳は気遣いの表情を見せながらも、あえて空気を変えるかのように明るい笑顔を見せた。

「そんな話より、昨日の接待どうだったの？
和馬さんが進めてるプロジェクトは、上手く行きそう？」

「ああ、なんとかな」

そう言った和馬に、美佳は「わあ」と声を上げた。