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――――…
楓は駅前の塾に足を踏み入れ、いつも座る席についた。
試験にパスしないと入門することが出来ない有名進学塾な為か、見かける塾生は同じ高校の生徒ばかりだった。
授業が始まるまでの時間、皆コンビニの弁当などを持ち込み、口にする姿が目に写る。
いつもはコンビニの弁当やパンで腹ごしらえをしている楓だったが、今日は円香に作ってもらった弁当がある為、わずかに微笑みながら、弁当箱を開けた。
美味しそうな香りに、頬が緩む。
誕生日だったことを告げただけで、あんなわずかな時間でこんなに豪華なお弁当を作ってくれるなんて……。
円香の心遣いに感動を覚えながら、楓はそっとおかずを口に運んだ。
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