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「円香さんは本当に料理上手ですよね」
ニッコリ笑ってそう言った楓に、
「子供がそんなお世辞言わないの」
と円香は照れ臭さに頬を赤らめつつ、キッシュを皿に取り分けた。
「でも、料理上手なんて言っても、
肝心の旦那は、私のお弁当を捨ててるくらいだしね」
と低い声で告げて息をついた。
その言葉に楓は「えっ?」と目を開いた。
円香は瞬時に自分の言ったことを後悔した。
私ったら……楓君に夫婦の愚痴を言うなんて……。
「旦那さん、お弁当捨ててるんですか?」
真剣な表情で詰め寄る楓に、円香は困ったように目を伏せながら、
「……実は、こんなメールが来て……」
と携帯電話を差し出して、美佳からのメールを見せた。
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