【旋 律】前編 第八章

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  「ううん、楓君が謝るのはおかしいわ。 ……でも、あなたは本当に凄い子ね」 そう言って感心の息をついた円香に、楓はクスクス笑った。 「僕、今まで円香さんの口から何回、凄い子って聞いたか分からないですよ。 これからはNGワードにしましょうか」 円香は「やだ、そんなに言ってる?」と思わず笑った。 彼女の笑顔を見た楓は安心したように微笑み、「じゃあ、翻訳始めましょうか」と鞄から辞書やDVD等を取り出した。 「そういえば楓君のお友達は、私達が相互レッスンしていることを知らないの?」 円香は楓から受け取ったDVDをデッキにセットしながら尋ねると、 「言ってません、うるさく詮索されると面倒なんで」 と楓はサラリと答えた。  
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