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「嬉しい、和馬さん」
そう言って美佳は和馬の背中にギュッと抱きついた。
そして彼の腕の中でニヤリと笑みを浮かべた。
――逃げる愛人は、皆美人、とはよく言ったもの。
私を失うかもしれないという気持ちから、彼の愛情はヒートアップする。
「今夜も一緒に過ごせる?」
「ああ、待ちきれない気分だよ」
和馬はもう一度、美佳にキスをした。
やった!
約束を取り付けたわ!
彼は完全に忘れてるのね、自分の結婚記念日を……。
結婚記念日、他の女と過ごす約束をしたなんて円香先輩は夢にも思っていないんだろな。
「それじゃあ、和馬さん、仕事帰りいつもの所で待ってるわね」
美佳はそう言って和馬に軽くキスをして、倉庫を出た。
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