【旋 律】前編 第九章

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  「実はひょんなことから、あなたが私の作ったお弁当を捨ててるって話を聞いてしまって……。 今まで、ずっと捨ててこられたのかと思ったら、悔しくて悲しくて、それで怒ってたんだけど、人に相談したら付き合いで外にご飯を食べに行くことがあるし手つかずのお弁当を持って帰らずに捨てて帰るのも思いやりだって聞いて……。 私もあなたに何も聞かずに怒ってて、あなたにとっては何がなんだか分からなかったと思うの」 そう告げた円香に、和馬の心臓はバクンと跳ねた。 「それは……誰に聞いたんだ?」 「え……うん、誰ともなくというのか……」 円香は上手く誤魔化すことが出来ずに目を泳がせた。 ――美佳なのか? 和馬は鼓動が早くなることを感じながらも動揺を悟られないようにビールを口に運んだ。 「あ、ああ、それで怒っていたのか、それは怒るのも……無理ないよな。 俺も付き合いがあると断れないし、生ゴミ増やしてもあれだろ?」 「生ゴミ?」 円香は眉をひそめた  
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