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「い…いや、その…俺もせっかく作ってくれたのに、食べなかったって言えなくて、本当に悪かったよ。
ごめんな、円香」
和馬はそう言って円香の手を取った。
「いいのよ、私こそごめんなさい」
「お弁当はこれからはいらないよ。
付き合いも多くなりそうだし、打合せで外出することもあるし」
すまなそうにそう言った和馬に、円香は「分かったわ」と笑顔を見せた。
そうか……円香はそれで怒っていたわけだ。
弁当を捨てていたことが分かったなら腹も立つよな。
それにしても、誰がそんなことを……。
和馬は顔をしかめながら食事を口に運んだ。
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