【旋 律】前編 第十章
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そして二人はゆっくり腰を上げ、歩き出した。 円香は楓と並んで歩きながら、奇妙な感覚に襲われた。 ――近くで並んで歩くと、こんなに身長差があるんだ。 肩もガッチリしていて、背中も広くて、17歳とはいえ、やっぱり男なんだね。 円香はその背中にしがみつき、泣きじゃくったことを思い出し、思わず赤面した。
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