【旋 律】前編 第十章

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. ――――… 楓が学校についたのは1時間目が終わった頃だった。 「広瀬君、重役出勤」 前の席の布施は、手を叩きながら言った。 するといつも一緒に通学している友人が、「下痢だろ」と、からかうように言った。 「バーカ、忘れ物だよ」 楓は笑いながら席についた。 そんな楓に、布施はキョトンとした。 「広瀬が忘れ物するなんて珍しいな」 「うん…まぁな」 楓は苦笑を浮かべた。 本当は、何も忘れてはいなかった。  
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