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――――…
楓が学校についたのは1時間目が終わった頃だった。
「広瀬君、重役出勤」
前の席の布施は、手を叩きながら言った。
するといつも一緒に通学している友人が、「下痢だろ」と、からかうように言った。
「バーカ、忘れ物だよ」
楓は笑いながら席についた。
そんな楓に、布施はキョトンとした。
「広瀬が忘れ物するなんて珍しいな」
「うん…まぁな」
楓は苦笑を浮かべた。
本当は、何も忘れてはいなかった。
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