【旋 律】前編 第十章

22/31
前へ
/31ページ
次へ
. ――――… 和馬は仕事をしながらも、嫌な予感が拭いきれずにいた。 うなじにつけられたキスマークに続き、スーツにつけられていたむせる程の香水の匂い。 まるで円香に対するアピールとしか思えない。 そして、昨日の様子。 俺が円香にメールをするのを阻止して、すぐさまホテルに入りたいと言った美佳。 もしかしたら、結婚記念日と知っての行動だったのか? そして行為の前にあんなことを言い出したのもはじめてだった……。 和馬は昨夜の出来事を思い起こし、腕を組んだ。  
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1387人が本棚に入れています
本棚に追加