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そうしてバス停で亜美を幼稚園バスに乗せた後、円香は主婦仲間との談笑もそこそこに解散し、家に向かい歩いていると、
「円香さん」
と背後で声がした。
「えっ?」
驚き振り返ると、そこには楓の姿があった。
「あ、あら……楓君、どうしたの?遅刻だって聞いたけど」
突然の出来事に動揺しながら尋ねると、楓は柔らかく微笑んだ。
「家に忘れ物をして取りに帰ってたんですよ」
「急がなくていいの?」
「学校には遅刻するって連絡したし、今テスト前でほとんどの授業が自習なんです。
だからどうせならのんびり行こうと思って」
「そうだったんだ。
体調でも崩したのかと心配しちゃった」
円香は少しホッとして、笑みを見せた。
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