【旋 律】前編 第十一章

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  『美佳、居酒屋で言えなかったから、メールで伝えるけど。 今すぐにでも、和馬さんと別れた方がいいと思うよ。 このまま突き進んでも、絶対に幸せになれないと思うよ。 私も人のことを言えた義理じゃないのはよく分かってる。 でも美佳は、本当に和馬さんのこと好きなのかな? 私には自棄になっているだけにしか見えないよ』 メールを見るなり美佳は、ああ、うるさい、と頭を振った。 こんな忠告は聞こえない。 自分だって彼の全てを奪いたいくせに、ただそれが出来ない臆病者のくせに、分かったように説教しないで。 携帯電話をベッドに放り投げて、自分も横になった。 絶対に結婚するんだ。 絶対に! 美佳は真っ赤な目で拳を握り締めた。  
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