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円香が「はい」とインターホンを確認すると、
『あっ、すみません、広瀬です』
と楓の姿が画面に映り、
まだ、お昼なのに?
と円香は戸惑いつつ玄関を開けると、そこには茶封筒を手に息を切らしている楓の姿があった。
「――楓君、学校は?」
「今、お昼休みなんで」
額に汗を滲ませ、息を切らしながらそう言った楓に、円香は驚き言葉を詰まらせた。
「わ…わざわざ、お昼休み、抜け出してくれたの?あっ、どうぞ入って」
「いえ、これを渡しに来ただけなんで、ここでいいです」
そう言って楓は茶封筒を差し出した。
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