【旋 律】前編 第十二章
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和馬が憎くて、美佳が憎くて、やるせなくて悔しくて苦しくて、酷く醜い感情が自分を支配していた。 それが消えたわけではない。 でも今の私は、こんな時こそ自分が何者でもなく、母親であることを気付かなくてはならなかった。 私が苦しい以上に、亜美が苦しむ。 私の感情は一時のものでも、亜美には一生の傷になる。 胸に熱いものが込み上げた。 こういう時こそ、しっかりしなければならない。
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