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心配そうな瞳を見せる楓に、円香は笑みを見せた。
「本当にありがとう、大丈夫よ」
その穏やかな笑みに、楓は少しホッとしたような表情を見せた。
「それじゃあ、午後の授業があるんで、学校に戻りますね」
「そうね、せっかくの休憩時間を潰させてしまってごめんなさいね」
「いえ、そんな。いつでも力になりますから、何かあったらメールくださいね」
楓はそう言って真っ直ぐに円香を見詰めた。
――ああ、なんて綺麗な目だろう。
私より14歳年下の男の子に、こんなにも勇気付けられるなんて。
私は一人じゃなく、亜美がいるということを気付かせてくれるなんて。
――ありがとう、楓君。
円香はギュッと両手を組んだ。
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