【旋 律】前編 第十二章

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  その後、和馬は書斎のデスクにつくなり、はぁ、と息をつき、頭を抱えた。 冷たく自分を見据えた美佳の姿と、鬼のように取り乱した円香の姿を思い起こし、逃げ出したい気持ちに駆られていた。 そうなのだ……賽は振られてしまったのだ。 和馬は重苦しい気持ちのまま書斎で一夜を明かし、円香と顔を合わせることなく、翌朝、会社に向かった。  
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