【旋 律】前編 第十二章

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. ――――… 円香は一晩中寝た気がしなかったが、いつの間にか眠っていたらしい。 朝起きると和馬の姿はなかった。 亜美は起きるなり「パパ、いないね」と部屋を見回しながらそう言った。 「うん、今日は早く行ったみたいね」 円香はなるべく平静を装いながらそう答えると、 「夜、喧嘩したから早く行ったの?」 と亜美は心配そうな目を見せた。 「……亜美、ほら、朝御飯食べようね」 円香は話題をそらし、亜美の背を撫でた。  
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