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そして亜美をバス停に送るのに家を出ると、いつものように楓達の姿が見えた。
「ようやく中間テスト終わったな、広瀬は今回どうだった?」
「まあまあかな?」
サラリと答える楓に、
「ってことは、またトップクラスか。お前、いつ勉強してるんだ?」
「広瀬もそうだし布施もそうだけど、勉強が出来る奴は人並み外れて要領いいんだよ。
できる奴は皆いつ勉強してるんだ?ってくらい余裕だよな」
と友人達は羨ましそうに肩をすぼめた。
「ばか、俺は水面下で努力してるんだよ。白鳥みたいに」
そう言う楓に、友人達は「白鳥かよ」とアハハと笑った。
いつもはこんな学生らしい会話を横聞きしては胸を弾ませていた。
しかし今日は、気分が晴れなかった。
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