【旋 律】前編 第十二章

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  亜美はいつものように 「楓ちゃん、お兄ちゃん、バイバーイ」 と元気に手を振ると、楓をはじめ男子高校生達は 「バイバーイ、行ってきます、亜美ちゃん」 「幼稚園がんばってねー」 と笑顔で振り返してくれていた。 円香は浮かない表情のまま、楓と目を合わせることも出来ず、なんとなく会釈をした。 楓はすれ違ったあとキョトンとして、振り返り円香の背中を見詰めた。 「広瀬、どうした?」 「いや」 楓は何事もなかったような表情を見せ、歩き出した。  
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