【旋 律】前編 第十二章

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. ――――… 円香からのメールを休憩時間に確認した楓は、その内容に目を見開き、友人と談笑中にも関わらず突然立ち上がった。 布施をはじめ周囲の友人達はポカンとして、 「広瀬どうした?」 と急に立ち上がった楓を見上げた。 「あ……ちょっと悪い。パソコンとこ行って来る」 楓はそう言って足早に教室を出て行った。 友人達はポカンと目を開いて楓の背中を見送りつつ、 「なんだ、あいつ」 「すげぇ顔色悪かったな」 と小首を傾げていた。 そんな中、布施だけは沈痛な面持ちで腕を組み、ふぅ、と息をついていた。  
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