【旋 律】前編 第十五章

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「亜美さん、こんにちは! あの僕、新しく亜美さんのファンクラブの会員になりました。 これからよろしくお願いします」 とクラスメートの男子は恥ずかしげに頬を赤らめながら頭を下げた。 亜美が顔をしかめつつ、「……あっ、そう」と答えると、 続いて他の男子生徒が「これで会員百名突破ですよ、凄いですね、亜美さん!」と興奮気味に声を上げた。 「あのね、そういうこと、もうやめてくれないかな」 亜美が腕を組み強い口調でそう告げると、 「あっ、はい、どうもすみませんでした。何か御用の場合には、ぜひお声をかけてくださいね」 と男子達は逃げるように足早に去って行った。  
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