【旋 律】前編 第十六章

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. ――――…… 一方、薫は驚きを隠せないままに、楓を見据えた。 「どうして、あの子がここに?」 「廊下で偶然会ってコーヒーをご馳走したんだ」 悪びれずに答えた楓に、薫は顔をしかめて腕を組んだ。 「女子高生と密室に2人きりに? 軽率な行動だな、兄貴らしくない」 面白くなさそうに呟く薫に楓は「そうかもな」と楽しげに笑ったあと、 「あの子、なんだか、惹きつけられる子だな」 と一人言のように呟いた。  
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