【旋 律】前編 第十七章

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「兄貴は運転があるし亜美ちゃんは未成年だし、俺一人アルコールで申し訳ない。 でも美味い料理にビールは本当に最高!」 そう言って隣に座る楓の肩に手を回した薫に、楓は、はいはいと頷いた。 「帰ったら、また論文だから飲めなくて幸いだよ」 「あっ、兄貴、悔しがってる」 そんな2人の姿に、亜美はクスクス笑った。 「仲の良い兄弟ですね。 私、一人っ子だから羨ましいな」 「亜美ちゃんの家は母子家庭って言ってたよね、お母さんに再婚の話とかないの?」 そう尋ねた楓に、亜美は肩をすぼめた。 「再婚話だけならいっぱいあるんです。 周りの人達、母を再婚させようと山程色んな話を持ってくるんですけど、母にその気がないみたいで」
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