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目頭が熱くなり、ポロポロと涙を零した円香に、
「円香さん」
楓はそっと肩に手を乗せた。
亜美と薫は笑みを浮かべながら互いに顔を見合わせ、邪魔にならないようにそっとリビングを後にし、
楓は優しく円香を抱き寄せた。
楓の広い胸に包まれ、自分の頬に流れる涙がとても熱く感じていた。
どれだけ、この胸に飛び込むことが出来たらと願っただろう。
自分にはその資格はないと思っていたんだ。
「……楓くん、私でいいの?」
そう漏らすと、楓は抱き締めた腕に力をこめた。
「奇跡のように巡り会えたんです。
もう離しません」
そう告げた楓に円香はウッと嗚咽を漏らし、また涙を零した。
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