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「薫は今まで不特定多数の女の子と付き合って来て、不特定多数の女の子と関係を持って来た。
でも亜美にはそうはしない。それは何故だと思う?」
そう尋ねた楓に、亜美は何も答えることが出来ず、ただ目を伏せていた。
「僕から見れば薫は今まで接してきた女の子の中で誰よりも君を大切にしているように見えるよ。
薫が君に何もしないのは、大切に思ってるからなんじゃないかな?」
楓がそう言うと、亜美は「でもね」と顔を上げた。
「大切に思っていても、本当に好きだったら理屈じゃなくその人と深い関係になりたいって思うものだと思うの。
好きでも、その食指が動かないとか、好きで大切だけど、それとこれは別みたいなものってあるのかなって」
ためらいがちにそう尋ねた亜美に、楓はプッと笑った。
「それで開口一番、欲情と来たわけだ」
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