【旋 律】後編 第二章

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  「円香さんの言ったとおりですね」 「えっ?」 「昔教えてくれたでしょう? 女はいくつになっても女の子だって。三十代になっても四十代になっても女の子だって」 ニッコリ笑ってそう告げた楓に、円香は赤面した。 「僕は、そんな円香さんが本当に……胸が詰まるくらいに愛しいです」 まっすぐに見詰める瞳に、円香の心臓は強く音を立てた。 「円香さんは、僕の人生でもっとも欲しているかけがえのない存在です」 楓はそっと円香の頬に手を触れ、 「だから、僕の人生を通して、あなたを愛し全力であなたを守ります」 そう言って円香を優しく強く抱き締めた。 “だから、小さなことにこだわらないで” そう言いたいんだ。 円香の目から熱い涙が零れた。
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