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「円香さんの言ったとおりですね」
「えっ?」
「昔教えてくれたでしょう?
女はいくつになっても女の子だって。三十代になっても四十代になっても女の子だって」
ニッコリ笑ってそう告げた楓に、円香は赤面した。
「僕は、そんな円香さんが本当に……胸が詰まるくらいに愛しいです」
まっすぐに見詰める瞳に、円香の心臓は強く音を立てた。
「円香さんは、僕の人生でもっとも欲しているかけがえのない存在です」
楓はそっと円香の頬に手を触れ、
「だから、僕の人生を通して、あなたを愛し全力であなたを守ります」
そう言って円香を優しく強く抱き締めた。
“だから、小さなことにこだわらないで”
そう言いたいんだ。
円香の目から熱い涙が零れた。
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