【旋 律】後編 第二章

36/36
1535人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
   「色々、手慣れて大人になってしまった僕ですけど、もう一度キスしてもいいですか?」 そう尋ねた楓に、円香は思わずクスッと笑って、小さく頷いた。 楓は微笑し、円香の肩を抱き、もう一度キスをした。 切ないほど、愛しかった少年。 14年の歳月は、彼をこんなにも素敵な大人に変えたんだ。 円香は楓の腕の中でそのぬくもりを感じ、胸を焦がした。 ―――そうして、結ばれた夜だった。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!