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亜美は走りながら、溢れ出る涙を何度も拭った。
薫は昨日のデートの後、あの人の所に行ってたんだ!
そして、疲れるようなことをいっぱいして、今日もするんだ。
薫は以前と何も変わらない、不特定多数の女と付き合うような男なんだ!
信じられない!
亜美はその勢いのまま、ノックもせずに楓の書斎に飛び込んだ。
「お、お父さん!」
ボロボロと涙を零しながら突然姿を現した亜美に、弁当を食べようと箸を手にしていた楓は驚き顔を上げた。
「――亜美、どうした?」
ただならぬ様子に慌てて立ち上がると、
「薫は、やっぱり他の女の子と寝てるんだよぉ」
と言って亜美はワーッと泣きながら楓にしがみついた。
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