【旋 律】後編 第三章

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  楓は、しがみつき、おいおい泣く亜美の頭を無言で撫でた。 何も言わずにいたが、撫でる手は薫に対する怒りで小刻みに震えていた。 「ねっ、お父さん、どうしたらいいかな?私、どうしたらいいのかな」 涙と鼻水でグシャグシャになりながら見上げてそう尋ねた亜美に、楓はギュッと拳を握った。 「亜美、もうそんな男と付き合わなくていい。 君をそんなに泣かせる男は、例え相手が弟でも絶対に許さない! もっといい人はいっぱいいる!」 そう強く言い放った楓に、亜美は驚き目をパチクリ開き、 次の瞬間、亜美の携帯電話にメールが受信された。 「メールだ。薫かな」 亜美は涙を拭いメールを確認すると、宛先は薫からだったがメールを打ったのは薫ではなかった。  
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