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楓は、しがみつき、おいおい泣く亜美の頭を無言で撫でた。
何も言わずにいたが、撫でる手は薫に対する怒りで小刻みに震えていた。
「ねっ、お父さん、どうしたらいいかな?私、どうしたらいいのかな」
涙と鼻水でグシャグシャになりながら見上げてそう尋ねた亜美に、楓はギュッと拳を握った。
「亜美、もうそんな男と付き合わなくていい。
君をそんなに泣かせる男は、例え相手が弟でも絶対に許さない!
もっといい人はいっぱいいる!」
そう強く言い放った楓に、亜美は驚き目をパチクリ開き、
次の瞬間、亜美の携帯電話にメールが受信された。
「メールだ。薫かな」
亜美は涙を拭いメールを確認すると、宛先は薫からだったがメールを打ったのは薫ではなかった。
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