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―――そうして、亜美の強い要望により、軽井沢の小さな教会で式を挙げ、その後、双方の家族と本当に親しい友人だけを招いてガーデンウェディングパーティを行なうことになった。
楓の母・恵美は目尻を下げ、
「円香さんとは、本当に縁があったのね。
嫁と姑というより友達同士のようにやっていきましょうね」
と嬉しそうにそう告げ、
楓の父や円香の両親は年の差婚に複雑な心境を抱いていたものの、幸せそうな二人の姿に祝福の心からの拍手を送っていた。
楓の高校時代からの友人であり現在は名門私立大学心理学講師の布施は、うんうん、と誇らしげに頷いた。
「俺は見抜いてたね。
広瀬は絶対に一度は、周りを驚かせるような突拍子もないことをやるって睨んでたよ」
「そうなのか?」
キョトンとした楓に、
「じゃあ、今だから言ってやるよ」
と布施はビシッと指さした。
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