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楓はクスクス笑い、
「亜美、結婚式でも会っただろう?私大で心理学講師をしている僕の友人の布施だよ」
と布施を改めて紹介した。
亜美は「ああ!」と思い出したように頷き、
「こんにちは、お久しぶりです、広瀬亜美です」
「こんにちは。いや、君が亜美ちゃんか。
結婚式の時はあまり話せなかったけど、改めて近くで見ると本当に可愛いねぇ」
露骨に誉める布施に、亜美は「エヘヘ」と嬉しそうに頬を緩ませた。
「薫はさっきまでここにいて亜美が学食で待ってるからって出て行ったよ。
会わなかったかい?」
「そうなんだ、ありがとう。それでは失礼します」
亜美はそう言って慌ただしく書斎を出て行った。
「驚いた、あんなに可愛い子だっけ?」
感心の息をつく布施に、楓は眉をひそめた。
「うちの娘を変な目で見ない!」
「悪い。それにしても、広瀬はハーレムだな。
美しく歳を重ねた大人の色香を醸し出す円香さんに、元気いっぱいの眩しい美少女・亜美ちゃんと一緒に暮らしているなんて。ああ、羨ましい。男の夢を実現させやがって」
そう漏らした布施に、楓は「ばか」と呆れたように息をついた。
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