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“奥さん以外愛せない”
ハッキリとそう告げた楓の言葉を思い浮かべ、亜美はハァと熱い息をついた。
――お父さんは本当にママが好きなんだ。
なんだか好きな人に、そこまで想われるのって羨ましい。
それに引き換え薫は……。
亜美はまた落ち込み、今度は重い溜息をついた。
すると、またイヤホンから『トントン』とノックの音が聞こえ、亜美はキョトンとして耳に神経を集中させた。
また、お客さん。
今日はお父さんの書斎、盛況なのね。
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