1446人が本棚に入れています
本棚に追加
「――僕はね、こんな自分に誰かを好きになることができるのかな?って本気で思ったことがあるんだ。
恋愛は感情的になることと密接したものだと思っていたからね。
高校一年生の頃、はじめて女の子と交際したけれど、結局好きにはなれずに終わったんだ。
やっぱり自分は能面のような人間なんだろうって思っていた」
楓は過去を振り返りながら、そう言って遠い目を見せた。
心配そうに見上げる亜美に、楓は優しい笑みを見せた。
「そんな僕に感情を取り戻してくれたのは、他でもない円香なんだ」
「えっ?」
最初のコメントを投稿しよう!