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布施はそっと身を乗り出し、電話をしている楓にチラリと視線を送った。
「あいつは魅力的だよ。男の俺から見てもね。
罪なくらいだ。
……女なんて眼中に入らなくなる」
小声でそう言って不敵に微笑んだ布施に、
「はい?」
と亜美は目を丸くした。
「でも、これはトップシークレットな。心配しろって言うのは冗談だから気にしないで。
あいつの幸せを心から喜んでるし」
そう言って人差し指を立てて楽しそうに微笑んだ布施に、亜美は真っ青になりながらコクコクと力強く頷き、「そ、それでは失礼します」とフラフラしながら書斎を出て行った。
亜美が出て行ったあと、布施は堪えきれないように声を抑えてクックと笑った。
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