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「俺より広瀬の方が心理学に向いてそうだけどな」
そう言いコーヒーを口に運んだ布施に、
「人の深層心理に触れて仕事をする勇気はないな」
と楓は肩をすぼめた。
「深層心理に触れる勇気はない、か。お前らしい言い回しだな」
そう言って小さく笑い合っていると『ゴトッ』と何かが落ちる音がした。
「なんか落ちたぞ」
「ああ、机の下みたいだな」
そう言って楓は立ち上がり、机の下に手を伸ばし、「……これは?」と盗聴器を手に目を開いた。
「なんだそれ、盗聴器じゃないか」
そう声を上げた布施に、
「やっぱりそうだよな。どうしてこんなものが」
と楓はポカンとしながら盗聴器を見た。
「情報の漏洩だよ、すぐに警察に調査させたほうがいいぜ」
強い口調でそう言う布施に、楓は弱ったように眉を下げた。
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