【旋 律】後編 第七章

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  彼女はこちらをチラリと見て、 「そして布施君は女と寝た数を勲章にするタイプの男よね」 とニッと微笑んだ。 「その通りですね」 まったく……馬鹿で察しのいい女ほど、性質(タチ)の悪いものはない。 しかしその後、彼女が学校を去るまで数度寝た。 女教師と学校内での行為。 そんなシチュエーションに最初は互いにかなり燃えたが、彼女が学校を去る頃には、その刺激は薄れてきていた。 いい時に去ってくれたと感じていた。 そして彼女が学校を去ると同時に、広瀬に向けられた嫉妬の目が一気に引いた。 皆、目が覚めたように、彼に対して悪かったと感じ、気を遣い出していた。 しかし本人は何も気にしていない様子で相変わらず淡々とした奴だった。
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