【旋 律】後編 第七章

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  彼女は保健室のベッドに屈服して果てながら荒い息をついた。 「……ッ、せ、生徒と保健室のベッドでこんなことするなんて、まるでAVね。 信じられない」 息を切らしつつ笑いながらそう漏らした彼女に笑みを返した。 「最初から乗り気だったでしょう?」 彼女は「ばか」と笑い、 「にしても、高校一年生とは思えない。相当、遊んでいるでしょう? 布施クンはモテそうだもんね」 と横目で見て、身体を起こた。 「先生こそ……広瀬ともしたんでしょう?」 そう尋ねると、彼女は楽しそうに笑った。 「確かにお気に入りだったし、ちょっとイタズラしたい気持ちはあったけど、あの子とそんな関係になるのは不可能かも」 彼女はそう言って乱れた髪を手で整えた。 「どうして?」 「よく分からないけど、すごく壁が厚いのよ。 自分を厚い壁でガードしてる感じなの」 その言葉に、大きく納得した。  
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