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「今日、たまたま話を持ち掛けられただけで、そんな楽しみにしていたわけでもないよ」
目をそらしながらそう告げる広瀬に、思わず息をついた。
――嘘つけよ、あんな珍しいくらい屈託のない笑顔を見せといて。
本当は凄く楽しみにしていたくせに。
そう思ったが、これ以上ふみ込まないでほしい、という雰囲気に、何も言わないことにした。
そして、改めて広瀬の部屋を見回した。
シンプルな部屋だ。
本棚にビッシリの本、そして机にベッド。
学者の部屋かよ、
と小さく笑い、絨毯の上に、あぐらをかいて座った。
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