1436人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんなこと、考えたこともないな」
眉を寄せながらそう告げた広瀬に、ゆっくりと身体を起こし視線を合わせた。
「じゃあ、何とも思ってなかったわけだ?」
自分の必死のアピールを気にも留めていなかった。
そう思うと、それはそれで情けない気持ちになった。
「どうだろう……?
思うと言うより、感じることはあったけど……」
広瀬はそう漏らして、目を伏せた。
「感じる?」
「いや、なんでもない」
余計なことを言った、という様子で目をそらした広瀬に、思わず身を乗り出した。
最初のコメントを投稿しよう!