【旋 律】後編 第八章
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意図も簡単に、自分のことをズバリ言い当てる人間がいることに驚いた。 俺の愚行の全て、鬱積された苦しみのはけ口だった。 いや、逃げ道なのかもしれない。 そう思いもう一度、広瀬に目を向けた。 ……あいつは優しく快活な母親や可愛い弟に囲まれていながら、どうして俺のことが分かるんだろう。 恵まれた人間の心の余裕なのだろうか? そう思うと、イライラした気持ちになり目をそらした。
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