【旋 律】後編 第八章

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  その後、広瀬に対してクラスメートからの冷やかしが続いたが常にサラリとかわし決して相手にしない為、いつしか冷やかす者もいなくなった。 そんな折、教室の窓辺に立っていると、たまたま近くに広瀬がいたので、 「……まだ、あの可愛い子と付き合ってるのか?」 と尋ねてみた。 思えば広瀬に声をかけるのは久しぶりだった。 広瀬はそっとこちらを見て、「うん、まあ」と簡単に頷いた。 「“友達”として?」 茶化すように口角だけを上げてそう尋ねると、 「そのつもりだったんだけど、いつの間にか彼氏ってことになってた」 と広瀬はバツが悪そうに肩をすぼめた。   
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