【旋 律】後編 第八章

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  「……あの子とヤッた?」 ストレートにそう尋ねてみると、広瀬は小さく笑い、 「それはノーコメントで」 と楽しげにそう言って、背を向けた。 その返答は意外だった。 『そんなことしてるわけないだろ』 ムキになったようにそう答えてくれると思っていた。 バクバクと鼓動が打ち鳴らす。 『ノーコメント』 それはもうシてるってことか? いや、別にどうだっていいだろう? そう思いながらも胸が騒ぎ、そして何故胸が騒ぐのか分からず、モヤモヤとした気持ちが支配した。  
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