【旋 律】後編 第十章

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. ―――――…… 亜美は弾んだ足取りで、薫との待ち合わせ場所である河川敷へと急いだ。 流れる川に燦々と照りつける太陽の光が反射して目に眩しい。 こんな風に昼間、薫とゆっくり会えるなんて思えば久し振りだ。 河原でドッカリと座りボーッと川を眺めている薫の姿を見付けた亜美は、 「薫ーっ!」 と駆けつけた勢いのまま薫の背中に抱きついた。 「わっ、マジでビックリした」 「ボーッとしてどうしたの?」 「え、いや、ちょっとな」 そう言って笑みを見せた薫に、亜美は「ん?」と眉をひそめた。  
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