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「でも、もう見守らなくていいです」
サラリとそう言った亜美に、布施は「えっ?」と目を開いた。
「どうして?」
「お父さんが私を守ってくれるように、これからお父さんのことは私が守るから」
そう言って亜美は胸に手を当てた。
「亜美ちゃんに守ってもらえるなら、最強だなぁ」
「でしょう?
私、格闘をはじめたのはママを守ってあげたかったからなの。
ママが再婚したら守らなくていいかと思えば、守りたい人が増えちゃった。
人って大切な人を守りたいって思う生き物なのかもですね」
真っ直ぐな瞳でそう言って笑顔を見せる亜美に、布施は眩しいものを見るかのように目を細めた。
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